「最近、肌がかゆい」
「赤いぶつぶつが出てきた」
「できものが大きくなってきた」
「抜け毛が急に増えた」
このように、皮膚に何らかの変化があったとき、「これくらいなら病院に行かなくても大丈夫」と様子をみてしまう方もいらっしゃるのではないでしょうか。
皮膚は身体の一番外側にあるため、乾燥や紫外線、汗、摩擦、アレルギーなど、さまざまな影響を受けます。また、皮膚に現れる症状の中には、体調の変化や免疫の状態などが関係しているものもあります。
一見するとよく似た「赤み」や「かゆみ」でも、原因が異なれば治療方法も変わります。
そのため、症状が続く場合や悪化している場合には、自己判断せず皮膚科で診察を受けることが大切です。
今回は、皮膚科で診療することの多い代表的な病気について、それぞれの特徴や受診の目安を分かりやすくご紹介します。
皮膚に異常を感じたら、まず皮膚科へ
皮膚の症状には、かゆみ、赤み、腫れ、痛み、乾燥、皮むけ、水ぶくれ、しこりなど、さまざまなものがあります。
しかし、症状だけで病気を判断することは簡単ではありません。
たとえば、
・赤くなってかゆい
・皮膚がカサカサしている
・小さなぶつぶつがある
・水ぶくれができた
といった症状は、湿疹やアレルギー、感染症など、複数の病気でみられることがあります。
また、同じ病気でも症状の出方や重症度には個人差があります。
皮膚科では、症状がいつから始まったのか、どの場所に出ているのか、どのように変化しているのかなどを確認しながら診断を行います。
必要に応じて検査を行い、原因や症状に合わせた治療を検討します。
市販薬だけで様子をみるときの注意点
皮膚のトラブルがあると、市販薬を使って様子をみる方も少なくありません。
もちろん、市販薬が適しているケースもあります。
一方で、原因と合わない薬を使用することで症状が改善しなかったり、別の病気を見逃したりする可能性もあります。
特に、
・症状がどんどん広がっている
・強いかゆみや痛みがある
・膿や水ぶくれがある
・何度も同じ症状を繰り返す
・市販薬を使っても改善しない
・急に大きくなったできものがある
といった場合には、一度皮膚科で診察を受けることをおすすめします。
「病院に行くほどではないかもしれない」と思うような症状でも、気になる場合はお気軽にご相談ください。
皮膚科でよく診療する代表的な病気
ここからは、皮膚科で相談されることの多い病気についてご紹介します。
湿疹・皮膚炎
湿疹は、皮膚科で非常によくみられる身近な皮膚トラブルです。
赤みやかゆみだけでなく、
・小さなぶつぶつ
・皮膚のカサつき
・皮むけ
・ジュクジュクした状態
・小さな水ぶくれ
など、さまざまな症状が現れます。
原因も一つではありません。
化粧品や洗剤、金属などが皮膚に触れることで起こる接触皮膚炎や、手を洗う機会が多い方にみられる手湿疹などもあります。
治療では、炎症やかゆみを抑える薬を使用するほか、原因となっている刺激を避けることも重要です。
「ただの肌荒れ」と思っていても、症状が長引く場合は皮膚科へご相談ください。
アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎は、強いかゆみを伴う湿疹が繰り返し現れる慢性的な皮膚疾患です。
顔や首、肘や膝の内側などに症状が出やすいほか、年齢によって症状が現れやすい場所が変化することもあります。
皮膚のバリア機能の低下に加え、体質や環境、汗、乾燥、ストレスなど、さまざまな要素が症状に影響すると考えられています。
治療では、外用薬によって炎症を抑えることに加え、保湿剤によるスキンケアも大切です。
症状や重症度によっては、内服薬や注射による治療などが検討される場合もあります。
症状が良くなったり悪くなったりを繰り返す場合も、自己判断で治療を中断せず、医師と相談しながら継続的に管理していくことが大切です。
じんましん
突然、皮膚が赤く盛り上がり、強いかゆみが出る場合は、じんましんの可能性があります。
一つひとつの発疹は比較的短時間で消えることが多いものの、場所を変えながら繰り返し出現することがあります。
食べ物や薬、感染症、温度変化、圧迫などがきっかけになることもありますが、原因を特定できないケースも少なくありません。
治療では、症状に応じて抗ヒスタミン薬などの内服薬を使用します。
じんましんを何度も繰り返している場合には、慢性的なじんましんの可能性もあるため、皮膚科で相談しましょう。
ニキビ(尋常性ざ瘡)
ニキビは思春期だけの悩みではありません。
大人になってからも、ホルモンバランスや生活習慣、ストレス、睡眠不足などさまざまな要因によってニキビができることがあります。
毛穴が詰まり、皮脂がたまりやすくなることで、白ニキビや黒ニキビができ、その後炎症を起こして赤く腫れたり、膿を伴ったりすることがあります。
ニキビを繰り返すと、炎症が治った後に赤みや色素沈着、凹凸などが残ることもあります。
そのため、症状が強くなる前から適切な治療を始めることが重要です。
現在は、毛穴の詰まりを改善する薬や炎症を抑える薬など、さまざまな治療方法があります。
「ニキビは自然に治る」と放置せず、繰り返す場合は皮膚科へご相談ください。
水虫・爪水虫(足白癬・爪白癬)
水虫は、白癬菌という真菌が皮膚や爪に感染して起こります。
足の指の間がふやける、皮がむける、足の裏がカサカサする、かゆみがあるなどが代表的な症状です。
ただし、かゆみがほとんどないケースもあります。
爪に感染すると、爪が白っぽく濁ったり、厚くなったり、もろくなったりすることがあります。
足の水虫だと思って市販薬を使用していても、実際には別の皮膚疾患だったということもあります。
特に爪の変化については、専門的な診断や治療が必要になる場合があります。
「水虫かもしれない」と思ったときには、一度皮膚科で確認してもらうと安心です。
乾癬(かんせん)
乾癬は、皮膚に赤く盛り上がった発疹ができ、その表面に銀白色のフケのような皮膚が付着する慢性的な炎症性疾患です。
頭皮や肘、膝、腰などに症状が出ることが多い一方、全身に広がることもあります。
症状には個人差があり、皮膚だけでなく爪に変化が現れる場合もあります。
また、一部の患者様では関節の腫れや痛みを伴う「乾癬性関節炎」が起こることがあります。
治療には、塗り薬をはじめ、内服薬、光線療法、注射による治療などがあります。
症状に合わせて治療方法を選択することが重要です。
帯状疱疹
体の左右どちらか一方に、ピリピリした痛みや違和感が出た後、赤い発疹や小さな水ぶくれが帯状に現れた場合には、帯状疱疹の可能性があります。
帯状疱疹は、水ぼうそうの原因となるウイルスが体内に残り、免疫力が低下したときなどに再び活動することで発症します。
年齢を重ねることに加え、疲労やストレスなどが発症のきっかけになることがあります。
帯状疱疹は、できるだけ早く治療を始めることが大切です。
治療が遅れると、皮膚症状が治った後も痛みが残る「帯状疱疹後神経痛」につながることがあります。
顔や目の周囲、耳の近くに症状がある場合には、特に早めの受診をおすすめします。
円形脱毛症
円形脱毛症は、髪の毛が円形や楕円形にまとまって抜ける病気です。
「ある日気づいたら、髪の一部がなくなっていた」という形で発見されることもあります。
原因の一つとして、免疫機能が毛根を攻撃してしまう自己免疫反応が関係していると考えられています。
脱毛する範囲は小さなものから、頭部全体、さらに眉毛やまつ毛など全身の毛に及ぶケースまでさまざまです。
症状に応じて外用薬や内服薬などを用いて治療します。
急に脱毛が始まった場合や、脱毛範囲が広がっている場合には、早めに皮膚科へご相談ください。
その他にも皮膚科で診療する代表的な病気
皮膚科では、上記以外にもさまざまな皮膚疾患を診療しています。
脂漏性皮膚炎
頭皮や眉毛、鼻の周囲など、皮脂の分泌が多い場所に赤みやフケのような皮むけが生じる皮膚炎です。
かゆみを伴うこともあり、「フケが増えた」と感じて受診される方もいます。
症状に応じて、炎症を抑える薬や抗真菌薬などを使用します。
痒疹(ようしん)
強いかゆみを伴う、硬いしこりのような皮疹が繰り返しできる病気です。
かゆみが強いため、掻くことでさらに皮膚が傷つき、症状が長引くことがあります。
アトピー性皮膚炎などに伴って生じる場合もあります。
症状が長期間続く場合には、原因を確認するための診察が必要です。
掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)
手のひらや足の裏に、赤みや小さな膿疱が繰り返し出てくる病気です。
皮膚が厚くなったり、ひび割れたりして、痛みを伴うこともあります。
症状が慢性的に続くことがあるため、皮膚科で状態を確認しながら治療を続けることが大切です。
粉瘤(ふんりゅう)
皮膚の下に袋状の構造ができ、その中に角質や皮脂などがたまって、しこりのようになる良性の皮膚腫瘍です。
中央に黒い点のような開口部がみられることがあります。
普段は痛みがなくても、細菌感染などによって炎症を起こすと、赤く腫れて強い痛みが出ることがあります。
「以前からあるしこりが急に腫れてきた」という場合は、早めに皮膚科へご相談ください。
魚の目・タコ
足の裏や足の指などに繰り返し圧力や摩擦が加わると、皮膚が厚く硬くなることがあります。
広い範囲が硬くなるものを「タコ(胼胝)」、中心に硬い芯ができて痛みを伴うものを「魚の目(鶏眼)」と呼びます。
靴が足に合っていないことや、歩き方、足の形などが原因となっていることもあります。
症状を繰り返す場合は、皮膚だけでなく、足にかかっている負担について考えることも大切です。
ホクロ・皮膚のできもの
ホクロは、多くの場合、良性の皮膚の変化です。
しかし、見た目だけではホクロと皮膚がんなどの区別が難しいこともあります。
特に、
・以前より急に大きくなった
・色が変化してきた
・形が左右非対称になってきた
・出血する
・表面がただれている
などの変化がある場合には、自己判断せず皮膚科で診察を受けることをおすすめします。
必要に応じて、ダーモスコープという拡大鏡を使用して、皮膚の状態を詳しく確認します。
こんな皮膚症状があれば早めの受診を
皮膚の症状は、必ずしも「痛い」「かゆい」といった分かりやすい症状が出るとは限りません。
以下のような変化がある場合は、一度皮膚科へご相談ください。
受診をおすすめする症状
・原因の分からない発疹が出た
・かゆみが長く続いている
・赤みが広がっている
・皮膚が繰り返し荒れる
・市販薬を使っても改善しない
・急にできものができた
・以前からあるできものが変化した
・水ぶくれや膿が出ている
・脱毛が急に始まった
・足や爪の変化が続いている
「症状が軽いから」と我慢するのではなく、気になる状態が続いている場合は早めに相談しましょう。
皮膚科を早めに受診するメリット
皮膚の病気は、早い段階で原因を確認することで、適切な治療につながりやすくなります。
たとえば、炎症が強くなる前に治療を始めることで、症状の悪化を抑えられる場合があります。
また、できものやホクロなどについても、変化に気づいた段階で診察を受けることで、必要な検査や治療につなげることができます。
「何の病気か分からない」という不安をそのままにせず、専門家に相談することも、皮膚の健康を守る大切な方法です。
菊川皮膚科・消化器内科クリニックの皮膚科診療
菊川皮膚科・消化器内科クリニックでは、患者様一人ひとりの症状を丁寧に確認し、皮膚の状態や経過を考慮しながら診療を行っています。
皮膚の病気は、同じように見える症状でも原因が異なる場合があります。
そのため、症状だけを見て判断するのではなく、いつから症状が始まったのか、どのような変化があったのか、これまでにどのような治療をしたのかなどを確認しながら診断・治療につなげていきます。
「この症状は皮膚科で診てもらえるのかな?」という段階でも、どうぞお気軽にご相談ください。
地域の皆様にとって、肌のことで困ったときに気軽に相談できる「かかりつけ皮膚科」を目指し、丁寧な診療を心がけています。
まとめ|気になる皮膚症状は早めにご相談ください
皮膚は毎日の生活の中で、紫外線や乾燥、汗、摩擦、さまざまな刺激を受けています。
そのため、湿疹やニキビ、水虫、じんましん、帯状疱疹、乾癬、円形脱毛症など、多くの皮膚疾患が起こる可能性があります。
中には自然に改善するものもありますが、症状が長引いたり、繰り返したり、急に変化したりする場合には、専門的な診察が必要になることがあります。
また、「ただの湿疹」「ただのホクロ」と思っていたものが、別の病気である可能性もあります。
皮膚の変化が気になったら、自己判断で長期間様子をみるのではなく、一度皮膚科へご相談ください。
菊川皮膚科・消化器内科クリニックでは、地域の皆様の身近な皮膚科として、さまざまな皮膚のお悩みに対応しています。
かゆみ、赤み、湿疹、ニキビ、できもの、脱毛など、気になる症状がございましたら、お気軽にご相談ください。
~~監修 医療法人社団 俊爽会 理事長 小林俊一~~


