「爪の横が赤くなっている」
「指先がズキズキして痛い」
「爪の周りが腫れて、膿が出てきた」
このような症状でお困りではありませんか?
爪の周りに赤みや腫れ、痛みなどがある場合、「ひょうそ(爪囲炎)」と呼ばれる炎症が起きている可能性があります。
ひょうそは、指先や爪の周囲にできた小さな傷などから細菌が入り込み、炎症を起こすことで発症します。
最初は「少し赤いだけ」と思っていても、炎症が進むと強い痛みや膿がみられることがあります。
今回は、ひょうその症状や原因、受診の目安、皮膚科で行う治療について、わかりやすくご説明します。
【ひょうそとは?】
ひょうそとは、爪の周りや指先に炎症が起こる状態です。
医学的には「爪囲炎(そういえん)」と呼ばれ、細菌による感染が加わって膿が溜まる場合には「化膿性爪囲炎」と呼ばれることもあります。
手の指だけでなく、足の指にも起こります。
特に、
・深爪をすることが多い
・ささくれを引っ張る癖がある
・ネイルや甘皮のお手入れをしている
・指先に傷ができやすい
・水仕事が多い
といった方は、爪の周囲を傷つけないよう注意が必要です。
【ひょうそで見られる主な症状】
ひょうそは、炎症が進むにつれて症状が強くなることがあります。
初期に多い症状
・爪の周りが赤くなる
・爪の横が少し腫れる
・触ると痛い
・指先が熱っぽく感じる
この段階では、「ちょっとした傷かな?」と思ってしまう患者様も少なくありません。
しかし、そのまま炎症が進むと、
症状が強くなると…
・ズキズキするような痛み
・腫れが強くなる
・爪の周りに白っぽい膿が溜まる
・押すと膿が出る
・指全体が赤く腫れる
といった症状が現れることがあります。
特に「膿が溜まっている」「痛みが強くなっている」という場合は、早めの受診がおすすめです。
【なぜ、ひょうそになるのでしょうか?】
ひょうそのきっかけは、爪の周囲にできた小さな傷であることが多いです。
普段何気なく行っている爪のお手入れが、原因になることもあります。
① 深爪
爪を短く切りすぎると、爪の周囲の皮膚に負担がかかります。
特に爪の角を深く切り込むような切り方は、皮膚を傷つける原因になるため注意しましょう。
② ささくれ
ささくれを手で引っ張ったり、噛んで取ったりすると、皮膚に傷ができます。
小さな傷から細菌が入り込み、炎症につながることがあります。
③ 甘皮の処理・ネイルケア
甘皮を強く押したり、切りすぎたりすると、爪の周囲の皮膚を傷つけることがあります。
ネイルを楽しむ場合も、爪だけでなく周囲の皮膚を傷つけないようにすることが大切です。
④ 指先の小さなケガ
紙や段ボールで指を切ったり、指先をぶつけたりするなど、本人が気づかない程度の傷が感染のきっかけになることもあります。
【手だけではありません。足の指にも起こります】
ひょうそは、手の指だけに起こるわけではありません。
足の指にも発症することがあります。
特に、
・巻き爪がある
・爪を短く切りすぎている
・靴の中で足が蒸れやすい
・足の指に傷ができている
といった場合には、爪の周囲に炎症が起こることがあります。
「足の爪の横が赤い」
「靴を履くと爪の周りが痛い」
という症状も、放置せずご相談ください。
【ひょうそには「急に悪化するもの」と「長引くもの」があります】
ひょうその症状には、急激に炎症が進むケースと、赤みや腫れが長く続くケースがあります。
急に症状が出てきた場合
細菌感染などをきっかけに、
赤み → 腫れ → 痛み → 膿
というように、短期間で症状が強くなることがあります。
強い痛みや膿がある場合は、早めに診察を受けましょう。
なかなか治らない場合
爪の周りの赤みや腫れが何週間も続く場合には、細菌以外の原因が関係していることもあります。
水仕事が多い方や、爪の周囲に繰り返し刺激が加わっている方では、慢性的な炎症が起こることがあります。
「何度も同じところが腫れる」「ずっと爪の周りが赤い」という場合も、皮膚科への相談をおすすめします。
【ひょうそは放っておいても大丈夫?】
軽い赤みだけで、自然に改善することもあります。
しかし、炎症が進んでいる場合には、様子をみているうちに症状が悪化することがあります。
特に、次のような症状がある場合は注意が必要です。
🚨 早めに受診したい症状
・痛みが強くなってきた
・腫れがどんどん広がっている
・爪の周りに膿が溜まっている
・指全体が赤くなってきた
・発熱や寒気がある
・数日たっても良くならない
・市販薬を使用しても改善しない
このような場合は、皮膚科で状態を確認してもらいましょう。
【自宅ではどうしたらいい?】
受診するまでの間は、患部を清潔にして、できるだけ刺激を与えないことが大切です。
自宅で気をつけたいこと
✔ 患部をやさしく洗う
✔ 洗った後は水分をしっかり拭き取る
✔ 爪や皮膚をいじらない
✔ 膿を自分で押し出そうとしない
✔ ささくれを無理に引っ張らない
✔ 痛みのある部分に余計な刺激を加えない
特に、膿を自分で潰したり、針などで刺したりするのは避けてください。
症状を悪化させる可能性があるため、膿が溜まっている場合は医療機関で相談しましょう。
【皮膚科ではどんな診察をするの?】
ひょうその診断では、まず患者様から症状について詳しくお話を伺い、患部を確認します。
問診
「いつから痛み始めたのか」
「腫れは大きくなっているか」
「膿は出ているか」
「指先に傷ができなかったか」
「深爪やネイルケアをしていないか」
などを確認します。
視診・触診
爪の周りの赤みや腫れ、膿の有無などを確認します。
必要に応じて患部を触り、痛みや腫れの程度なども確認します。
必要に応じて検査
膿が出ている場合など、原因となっている菌を調べる必要があると判断した場合には、細菌検査を行うことがあります。
すべての患者様に検査が必要というわけではなく、症状や経過を考慮して検査の必要性を判断します。
【ひょうその治療方法】
治療は、炎症の程度や膿の有無、症状の経過などによって異なります。
炎症が軽い場合
症状に応じて、抗菌作用のある塗り薬などを使用します。
炎症の程度によっては、抗菌薬の内服を検討する場合もあります。
膿が溜まっている場合
皮膚の中に膿が溜まっている場合、薬だけでは改善しにくいことがあります。
そのような場合には、必要に応じて患部を小さく切開し、溜まった膿を外へ出す処置を行います。
膿が溜まっていることで強い痛みが出ている場合には、膿を排出することで痛みが軽くなることもあります。
処置が必要かどうかは、患部の状態を確認したうえで判断します。
【ひょうそを予防するためにできること】
ひょうそを繰り返さないためには、爪の周囲をできるだけ傷つけないことがポイントです。
普段から、
・爪を深く切りすぎない
・爪の角を無理に切り込まない
・ささくれを引っ張らない
・甘皮を切りすぎない
・指先を清潔に保つ
・水仕事の後は手をよく乾かす
ことを心がけましょう。
足の爪についても、短く切りすぎず、爪の状態に合った切り方をすることが大切です。
【「爪の周りだから」と我慢しないでください】
爪の周りの赤みや腫れは、身近な症状だからこそ「少し様子をみよう」と考えてしまいがちです。
しかし、炎症が進むと、強い痛みが出たり、膿が溜まったりすることがあります。
さらに炎症が広がると、より深い組織まで感染が及ぶ可能性もあります。
そのため、
「昨日より腫れている」
「痛みが強くなってきた」
「膿が出てきた」
という変化があれば、早めに皮膚科へご相談ください。
【菊川皮膚科・消化器内科クリニックでご相談ください】
菊川皮膚科・消化器内科クリニックでは、爪の周りの赤みや腫れ、痛み、膿など、さまざまな皮膚症状について診察を行っています。
「これはひょうそなのかな?」
「爪の周りが腫れているけれど、受診したほうがいい?」
「痛みが強くなってきたけれど、どうしたらいい?」
このような場合も、どうぞお気軽にご相談ください。
患者様のお話を丁寧に伺い、患部の状態を確認したうえで、必要な治療についてわかりやすくご説明します。
爪の周りの小さな変化でも、症状が続いたり悪化したりしている場合には、早めにご相談いただくことをおすすめします。
【まとめ】
ひょうそは、爪の周囲にできた小さな傷などをきっかけに、炎症や細菌感染が起こる病気です。
主な症状は、
「赤み・腫れ・痛み・膿」
です。
深爪やささくれ、ネイルケアなどがきっかけになることもあります。
特に、膿が溜まっている、痛みが強い、腫れが広がっているといった場合には、早めに皮膚科を受診しましょう。
「これくらいなら大丈夫」と我慢せず、爪の周りの気になる症状がありましたら、菊川皮膚科・消化器内科クリニックへご相談ください。
~監修 医療法人社団 俊爽会 理事長 小林俊一~


