腹痛は「痛みの強さ」だけで判断しないことが大切です
お腹が痛いとき、「もう少し様子を見ても大丈夫?」「病院へ行ったほうがいい?」と迷うことがあります。
腹痛は、胃腸炎や便秘、胃炎など比較的よくみられる原因で起こる一方、早急な治療が必要な病気が隠れていることもあります。
受診のタイミングを考えるときは、痛みの強さだけではなく、「どこが痛むか」「急に始まったか」「時間とともに悪化しているか」「発熱や嘔吐はないか」「血便や黒い便が出ていないか」「水分をとれているか」なども確認することが大切です。
【緊急】救急受診を考えたい腹痛
次のような症状がある場合は、通常の外来診療を待たず、救急相談や救急受診を検討してください。
・突然、激しい腹痛が起こった
・これまで経験したことのないような強い痛みがある
・冷や汗が出るほどお腹が痛い
・お腹が硬く、触れると強く痛む
・歩いたり体を動かしたりすると強く響く
・何度も嘔吐し、水分もとれない
・大量の血便が出た
・吐血がある
・意識がぼんやりする、反応がおかしい
・ぐったりして動けない
・腹痛とともに胸痛や強い息苦しさがある
症状が急激に悪化している場合や、明らかに普段とは違う強い症状がある場合は、無理に様子を見続けないことが重要です。
自分で受診できないほど症状が強い場合には、119番への連絡も検討してください。
【早めに相談】できるだけ早く受診したい腹痛
救急車を呼ぶほどではなくても、次のような症状がある場合は、早めに医療機関へ相談しましょう。
・腹痛が続いている、または徐々に悪化している
・同じ場所が繰り返し強く痛む
・発熱を伴っている
・嘔吐を繰り返している
・食事や水分を十分にとれない
・下痢が続いている
・血便や黒い便が出た
・尿の量が明らかに少なくなった
・お腹の張りが強い
・便やガスが出にくい
・妊娠している、または妊娠の可能性がある
特に、高齢の方や、糖尿病・心臓病などの持病がある方、免疫を抑える薬を使用している方、過去に腹部の手術を受けたことがある方は注意が必要です。
症状が典型的に現れないこともあるため、「いつもの腹痛と違う」と感じた場合には早めに相談しましょう。
【外来で相談】繰り返す腹痛や便通の変化も放置しない
強い痛みがなくても、腹痛を何度も繰り返している場合は、一度原因を確認することをおすすめします。
例えば、
・食事のたびにお腹が痛くなる
・みぞおちの痛みを繰り返す
・下腹部の痛みが続いている
・下痢や便秘を繰り返している
・便が以前より細くなった
・食欲が落ちている
・理由のわからない体重減少がある
・健診で便潜血陽性を指摘された
といった場合です。
症状が軽くても長期間続いている場合や、以前とは違う変化がみられる場合には、内科・消化器内科へ相談しましょう。
腹痛で受診したときに確認すること
腹痛の原因を調べるためには、痛みそのものだけでなく、症状が始まった時期や便通、食事などの情報も重要です。
受診時には、
・いつから痛むのか
・どこが痛むのか
・突然始まったか、徐々に始まったか
・痛みがずっと続くか、波があるか
・食事の前後で変化するか
・排便すると変化するか
・発熱、吐き気、嘔吐があるか
・下痢や便秘があるか
・便の色に変化があるか
・現在服用している薬
・過去に腹部の手術を受けたことがあるか
などを確認します。
「みぞおち」「右下腹部」「左下腹部」など、痛む場所をできるだけ具体的に伝えることも診療の参考になります。
胃カメラ・大腸カメラを検討することもあります
腹痛の原因によっては、診察や血液検査などに加えて、胃カメラや大腸カメラなどの検査を検討する場合があります。
例えば、みぞおちの痛みや胃もたれなどが続いている場合には胃カメラ、血便や便潜血陽性、長引く便通異常などがある場合には大腸カメラを検討することがあります。
ただし、腹痛があるからといって必ず内視鏡検査が必要になるわけではありません。症状の経過や年齢、既往歴、健診結果などを確認したうえで、必要な検査を判断します。
腹痛が続くときは我慢しすぎず相談を
腹痛は日常的に起こることがある症状ですが、原因はさまざまです。
軽い腹痛でも長く続く場合や何度も繰り返す場合、発熱・嘔吐・血便・黒い便などを伴う場合には、自己判断だけで長期間様子を見ず、医療機関へ相談しましょう。
特に、突然の激しい腹痛、意識がおかしい、ぐったりして動けない、大量の血便や吐血、強い息苦しさなどがある場合は、通常の外来受診を待たず、救急受診を検討してください。


