「急に皮膚が赤くなって、すごくかゆい」
「蚊に刺されたような膨らみが全身に出てきた」
「しばらくすると消えたのに、また別の場所に出てきた」
このような症状は、じんましん(蕁麻疹)かもしれません。
じんましんは、皮膚に突然、赤みを伴う盛り上がりが現れる皮膚の病気です。強いかゆみを伴うことが多い一方で、出ていた発疹が数時間ほどで消えてしまうことも特徴のひとつです。
多くは適切な治療によって症状をコントロールできますが、まれに唇や舌、のどなどが腫れ、呼吸に影響することがあります。
今回は、じんましんの特徴や原因、受診の目安、治療について、患者様向けにわかりやすくご紹介します。
【じんましんはどんな病気?】
じんましんは、皮膚の一部が突然赤くなったり、盛り上がったりする病気です。
この盛り上がりを「膨疹(ぼうしん)」といいます。
膨疹の大きさは、数ミリ程度の小さなものから、いくつかがつながって地図のように広がるものまでさまざまです。
そして、じんましんには特徴的な性質があります。
「突然出てきた発疹が、しばらくすると消える」
ということです。
同じ場所にずっと発疹が残るのではなく、ある場所の膨疹が消えた後、別の場所に新しく出てくることもあります。
そのため、
「さっきまで赤かったのに、診察する頃には消えている」
ということも珍しくありません。
症状が出たときは、可能であればスマートフォンなどで写真を撮っておくと、診察時の参考になることがあります。
【じんましんの主な症状】
じんましんで多くみられる症状は、次の3つです。
① 赤み
皮膚の一部が突然赤くなります。
② 膨らみ
蚊に刺されたような、皮膚の盛り上がりが現れます。
小さな膨疹がたくさん出ることもあれば、大きな膨疹が広がることもあります。
③ 強いかゆみ
「我慢できないほどかゆい」と感じる患者様もいます。
掻くことで皮膚への刺激が加わり、症状が広がって見えることもあります。
じんましんは、これらの症状が突然現れることが特徴です。
【じんましんは、なぜ起こるのでしょうか?】
じんましんが起こる原因は一つではありません。
食べ物や薬などがきっかけになる場合もあれば、温度変化、汗、摩擦、疲労など、日常生活のさまざまな刺激が関係することもあります。
主なきっかけとしては、
・食べ物
・薬
・感染症
・汗や運動
・温度変化
・日光
・皮膚への圧迫や摩擦
・疲労やストレス
などが挙げられます。
ただし、「原因を調べてもはっきりしない」ケースも少なくありません。
特に繰り返し起こるじんましんでは、原因を一つに特定できないこともあります。
【食べ物が原因とは限りません】
じんましんが出ると、
「昨日食べたものが悪かったのかな?」
「アレルギー検査をしたほうがいい?」
と考える方も多いと思います。
確かに、食物アレルギーによってじんましんが起こることはあります。
しかし、すべてのじんましんが食物アレルギーによるものではありません。
むしろ、原因を特定できないじんましんも多くあります。
そのため、自己判断で特定の食品を長期間避けるのではなく、症状が出たタイミングや食事、薬、運動などを記録しておくことが診断の手がかりになることがあります。
【じんましんにはいくつかのタイプがあります】
じんましんは、症状が続く期間や発症するきっかけによって分類されます。
急性じんましん
症状が出始めてから比較的短期間で治まるタイプです。
感染症などをきっかけに発症することもあります。
症状が繰り返す場合には、原因や経過を確認することが大切です。
慢性じんましん
じんましんを繰り返す状態が長期間続くタイプです。
原因を特定できないことも多く、「何をしたら出るのかわからない」という患者様も少なくありません。
症状を抑えながら、できるだけ日常生活への影響を減らしていくことが治療のポイントになります。
物理的な刺激で起こるじんましん
皮膚への圧迫や摩擦、寒さ、温度変化、日光など、特定の刺激によって症状が出るタイプがあります。
「ベルトが当たる場所だけ出る」
「寒いところに行くと出る」
など、きっかけが比較的わかりやすいこともあります。
コリン性じんましん
運動や入浴、緊張などによって汗をかいたときに、細かい膨疹が出るタイプです。
小さな発疹が広い範囲に出て、強いかゆみを感じることがあります。
【じんましんが出やすい場所は?】
じんましんは、身体のさまざまな場所に現れます。
腕や脚、背中、お腹などに出ることもあれば、顔に症状が現れることもあります。
特に注意したいのが、
「まぶた・唇・舌・口の中・のど」
などの腫れです。
皮膚だけではなく、のどや気道の腫れが起こると、呼吸がしにくくなる可能性があります。
【こんな症状があれば救急受診を】
じんましんそのものは、多くの場合、適切な治療で改善が期待できます。
しかし、次のような症状が同時に起こった場合は注意が必要です。
🚨 すぐに医療機関へ相談したい症状
・息が苦しい
・呼吸がしづらい
・声が出しにくい、声がかすれる
・舌やのどが腫れている
・意識がぼんやりする
・強いめまいやふらつきがある
このような場合は、重いアレルギー反応などの可能性もあるため、緊急対応が必要になることがあります。
特に呼吸困難や意識障害がある場合は、迷わず救急車を要請してください。
【じんましんが出たとき、自宅でできること】
症状が軽い場合には、皮膚への刺激をできるだけ避けましょう。
冷やす
かゆみが強い場合は、冷たいタオルなどで患部を冷やすことで、かゆみが楽になることがあります。
ただし、寒冷刺激でじんましんが出るタイプの方は、冷やすことで悪化する可能性があるため注意してください。
掻かない
強く掻くと皮膚への刺激が増え、症状が目立つことがあります。
爪を短く整えておくことも、皮膚を傷つけないための対策になります。
熱いお風呂を避ける
熱いお湯や長時間の入浴によって、かゆみが強くなることがあります。
症状が出ているときは、ぬるめのお湯で短時間の入浴を心がけましょう。
疲労やストレスをためない
睡眠不足や疲れなどが症状に影響することもあります。
できるだけ休息をとり、規則正しい生活を心がけましょう。
【じんましんは、いつ皮膚科を受診すればいい?】
一度出たじんましんがすぐに消えて、その後も症状がない場合もあります。
一方で、何度も繰り返している場合や、生活に支障が出るほどかゆい場合には、皮膚科へご相談ください。
受診をおすすめするケース
・何度もじんましんが出る
・数日たっても症状が改善しない
・かゆみが強く眠れない
・顔や唇などが腫れる
・原因がわからず不安
・市販薬を使っても改善しない
・じんましんによって日常生活に支障がある
「いつものことだから」と我慢せず、繰り返す症状は一度診察を受けてみましょう。
【皮膚科ではどんな検査をするの?】
じんましんの診断では、症状が出たときの様子や経過を詳しく確認することが重要です。
診察では、
・いつから症状が出たか
・どのくらいの時間で消えるか
・どこに出るのか
・食事との関係
・薬を飲んでいないか
・運動や入浴との関係
・以前にも同じ症状があったか
などを確認します。
じんましんは、診察時には発疹が消えていることもあるため、症状が出たときの写真が診断の参考になることがあります。
必要に応じて、血液検査やアレルギーに関する検査などを行うこともあります。
ただし、すべての患者様に一律に検査を行うわけではなく、症状や経過に応じて必要性を判断します。
【じんましんの治療について】
じんましんの治療では、症状を抑えて、かゆみや生活への影響を減らすことが重要です。
一般的には、抗ヒスタミン薬などの内服薬が中心となります。
症状の程度やタイプによっては、ほかの薬を使用することもあります。
また、原因や悪化させるきっかけが明らかな場合には、
「何が症状を起こしているのかを確認し、できる範囲で避ける」
ことも大切です。
慢性的に症状を繰り返す場合には、症状が出る頻度や程度を確認しながら、治療を継続していきます。
【診察では何を相談すればいい?】
「じんましんで病院に行く」となると、
「何を伝えればいいの?」
と迷われる方もいらっしゃると思います。
受診の際には、次のようなことを伝えていただくと診察の参考になります。
✔ いつから症状が出たか
✔ どのくらいで消えるか
✔ どの場所に出るか
✔ かゆみの程度
✔ 食事や薬との関係
✔ 運動・入浴・発汗との関係
✔ 最近の体調や疲れ
✔ これまでにも同じ症状があったか
症状が出ているときの写真があれば、ぜひお持ちください。
【菊川皮膚科・消化器内科クリニックでじんましんのご相談を】
じんましんは、突然症状が出るため、
「何が原因なのかわからない」
「また出るのではないかと心配」
と不安を感じる患者様も少なくありません。
菊川皮膚科・消化器内科クリニックでは、じんましんの症状や経過を丁寧に確認し、患者様一人ひとりの状態に合わせた診療を心がけています。
症状が出るタイミングやきっかけを確認しながら、必要に応じて検査や治療についてご説明します。
じんましんは、皮膚の症状だけでなく、生活の質にも影響することがあります。
「何度も繰り返す」「かゆみがつらい」「原因がわからない」
という場合には、一人で悩まずお気軽にご相談ください。
【まとめ】
じんましんは、皮膚に突然赤みや膨らみが現れ、強いかゆみを伴うことが多い病気です。
特徴的なのは、症状が突然現れたあと、比較的短時間で消えることがあるという点です。
原因には、食べ物や薬、感染症、汗、温度変化、摩擦、疲労などさまざまなものがあります。
また、原因をはっきり特定できないケースも少なくありません。
症状が繰り返す場合や、強いかゆみが続く場合には、皮膚科で相談してみましょう。
そして、唇や舌、のどの腫れ、息苦しさ、意識の異常などがある場合は緊急性があるため、すぐに医療機関へ相談してください。
気になる皮膚症状がありましたら、菊川皮膚科・消化器内科クリニックへお気軽にご相談ください。
~監修 医療法人社団 俊爽会 理事長 小林俊一~


