「糖尿病」という病名を聞いたことはあるけれど、「まさか自分が」「症状がないから心配ない」と、軽く考えていませんか?
糖尿病は、初期の段階では自覚症状がほとんど現れずに静かに進行するため、「サイレントキラー(静かなる暗殺者)」と呼ばれるほど油断できない病気です。
- 「健康診断で血糖値の異常を指摘された」
- 「身近な家族に糖尿病の人がいる」
- 「最近、のどが渇きやすい気がする」
こうした胸の内の「もしかして?」という小さな疑問や不安を、当院が専門的な知見から、誰にでも理解できるよう丁寧にご説明し、解決へと導きます。
ご自身と、大切なご家族の将来の健康を守るため、今こそ糖尿病の正しい知識を一緒に身につけていきましょう。
💡 糖尿病とは、どんな病気?
糖尿病とは、血液中のブドウ糖(血糖)濃度が高い状態が慢性的に続く疾患です。
通常、血糖値はインスリンというホルモンによって適切な範囲に保たれています。しかし、このインスリンの働きが弱くなったり、分泌量が不足したりすることで、血糖値のコントロールがうまくいかなくなり、高血糖状態に陥ります。
⚠️ 見逃してはいけない症状の特徴
病気の初期には、ほとんど症状が現れません。
しかし、進行が進むと、以下のような体調の変化が現れることがあります。
- 異常なのどの渇き(口の渇き)
- 多量の水分摂取(多飲)
- 尿の回数や量の増加(多尿)
- 全身の倦怠感や疲れが取れない
- 急激な体重減少(特に原因なく痩せる)
- 視界がかすむ、視力の低下
これらの症状が出た時点では、病気がかなり進行している可能性があります。「いつもと違うな」と感じたら、決してそのまま放置せず、早期の受診が重要です。
なお、多尿や多飲・口渇は、糖尿病以外の病気が原因となっている可能性もあります。異変を感じた際は、すぐに医療機関へご相談ください。それが病気の早期発見・早期治療に繋がります。
🧬 糖尿病を引き起こす主な原因
糖尿病患者の約95%を占めるのが「2型糖尿病」です。これは遺伝的な体質に加え、日々の生活習慣が深く関与して発症します。
- 食生活の偏り(食べ過ぎ、高カロリー食):インスリンを分泌する膵臓に大きな負担がかかります。
- 運動不足:インスリンの効きが悪くなる体質(インスリン抵抗性)を招きます。
- 肥満(特に内臓脂肪の蓄積):インスリンの働きを強く妨害します。
この他、ストレス、加齢、そして、その他の病気(膵炎など)も発症の原因となることがあります。
📜 糖尿病の主な分類
糖尿病は、発症のメカニズムによっていくつかのタイプに分けられます。
| 種類 | 特徴 |
| 1型糖尿病 | インスリンがほとんど作られなくなるタイプ。自己免疫疾患などが原因で、若年での発症が多いです。 |
| 2型糖尿病 | インスリンの作用不足や分泌不足で発症。生活習慣の関与が大きく、日本人に最も多いタイプです。 |
| その他の特定の原因による糖尿病 | 遺伝子の異常、他の疾患、薬剤の影響などによって起こるもの。 |
| 妊娠糖尿病 | 妊娠期間中に初めて発見される、血糖値が高い状態。 |
📞 専門医への受診を検討すべきサイン
以下のような状況に当てはまる場合は、自己判断せず、すぐに当院へご相談ください。
- 健康診断で血糖値やHbA1cの異常を指摘されたが、そのままにしている。
- 上記の多飲、多尿、倦怠感、急な体重減少といった症状が持続している。
- ご家族や親戚に糖尿病の既往がある(遺伝的リスクを考慮)。
- 40歳以上で肥満傾向にあり、食生活や運動習慣に不安がある。
自覚症状の有無にかかわらず、検査数値の異常は受診するべき重要なサインです。
🧪 診断のための検査内容
主に血液検査によって、現在の体の状態を詳細に調べます。
- 血糖値:採血時点での血液中のブドウ糖濃度を測定します。
- HbA1c(ヘモグロビン・エーワンシー):過去1〜2ヶ月間の血糖値の平均状態を示す数値で、血糖コントロール状況を把握するために最も重要な指標です。
🧑⚕️ 診断と治療の進め方
検査結果に基づいて、専門医が正確な診断を行います。治療の土台となるのは、「食事療法」と「運動療法」の徹底です。
- 食事療法:管理栄養士が連携し、適切なカロリー設定と栄養バランスの指導を行います。当クリニックでは、消化器内科としての専門知識も活かし、**血糖値の急上昇を防ぐ具体的な食べ方(野菜を先に食べるベジタブルファーストなど)**を実践的にアドバイスします。
- 運動療法:無理なく継続できるウォーキングなどの運動を提案し、体内でインスリンが効きやすい状態(インスリン抵抗性の改善)を目指します。
- 薬物療法:食事・運動療法だけでは目標値に達しない場合に、内服薬やインスリン注射の導入を検討します。患者様の生活背景や病状に合わせて、最適な治療計画をご提案します。
🤝 当院の診察における特長
当院の診察では、単に薬を処方するだけでなく、患者様との「対話」を最も重視しています。
- 丁寧な問診:最近の体調変化、食生活、運動習慣、ストレスレベルなどを細かくお聞きし、病気の背景にある要因を探ります。
- 検査結果の共有と説明:現在の血糖値やHbA1cの状態を、グラフなどを用いて視覚的に分かりやすくご説明し、治療の目標値を一緒に設定します。
- 管理栄養士による栄養指導:「前回の頑張り」と「次に取り組む目標」を共に定めることで、患者様が主体性を持ってモチベーションを維持できるようサポートします。
私たちは、患者様がご自身の病態を正しく理解し、前向きに治療に取り組めるよう、きめ細かく、温かい雰囲気でサポートを提供いたします。
🍀 最後に—未来の健康のために
糖尿病は、早期に発見し、適切な治療を継続すれば、合併症を防ぎ、元気に日常生活を送ることが十分可能な病気です。
大切なのは、「自分は大丈夫」という根拠のない過信ではなく、「あれ?おかしいな」という体の小さなサインを決して見逃さないことです。
当院は、皆様の「かかりつけ医」として、糖尿病の予防・治療、そして合併症の予防のための継続的なフォローアップをお約束します。
健康診断の結果や、体の変化で少しでも気になることがあれば、どうぞお一人で悩まずにお気軽にご来院ください。
一緒に健康な未来を築きましょう!
監修:医療法人社団 俊爽会 理事長 小林 俊一(日本内科学会 総合内科専門医)


