肺炎について知っておきましょう!

🏥 葛西内科皮膚科クリニック 看護師からのメッセージ:身近な病気「肺炎」を知り、予防しよう!

こんにちは。葛西内科皮膚科クリニックの看護師です。

皆さんは「肺炎」と聞いて、どのような病気を想像されますか?「ひどい風邪の末期」や「高齢の方特有の病気」といったイメージをお持ちかもしれません。

しかし、肺炎は実は非常に身近な病気であり、年齢に関係なく、小さなお子様からご高齢の方まで誰もが発症する可能性があります。特に季節の変わり目や、体調を崩しやすい時期は注意が必要です。


💡 そもそも、肺炎とはどんな病気?

私たちの体は、肺を通して酸素を取り込み、二酸化炭素を排出しています。この働きを担っているのが、気管支の先にある**「肺胞(はいほう)」**という無数の小さな袋です。

肺炎は、この肺胞やその周囲の組織に炎症が起こる病気です。炎症によって肺胞の中に膿や炎症性の液体が溜まると、空気の交換(ガス交換)が妨げられてしまいます。その結果、呼吸が苦しくなったり、激しい咳が出たりといった症状が現れます。


🦠 肺炎の主な原因と種類

肺炎は、主に病原体が肺に感染することで発症しますが、原因となる病原体の種類によって治療法が異なります。

1. 細菌性肺炎

最も一般的な原因です。特に肺炎球菌が有名で、その他にもインフルエンザ菌や黄色ブドウ球菌などが原因となることがあります。風邪などで体の抵抗力が落ちた際に感染し、発症することが多いです。

2. ウイルス性肺炎

インフルエンザウイルス、麻疹ウイルス、水痘ウイルスなどによって引き起こされます。近年では、新型コロナウイルス感染症が重症化した際も、このタイプの肺炎になることが知られています。インフルエンザの合併症として起こることもあります。

3. その他の肺炎

  • 非定型肺炎: マイコプラズマやクラミジアといった、一般的な細菌とは少し異なる病原体によって起こります。
  • 誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん): ご高齢の方に多く見られます。食べ物や唾液などが誤って気管に入り、それに含まれる細菌が肺に感染して炎症を起こすものです。飲み込む力(嚥下機能)が衰えた方に特に注意が必要です。

⚠️ こんな症状には要注意!肺炎のサイン

肺炎の初期症状は風邪と似ているため、「ただの風邪」と見過ごされがちです。しかし、放置すると重症化する危険性がありますので、以下のサインに気づいたら早めの受診を検討してください。

  • 38℃以上の高熱がなかなか下がらない
  • 激しい咳や、色のついたが出る
  • 息切れ呼吸の速さを感じる
  • 胸の痛みがある
  • 全身のだるさ食欲不振が続く

特に、熱が数日続く、咳がひどくて眠れない、息をするのがつらいといった場合は、すぐに医療機関を受診しましょう。

💡 【ご高齢の方へ】

高齢者の場合、発熱や咳が目立たず、「食欲がない」「なんとなく元気がない」といった症状だけが現れることもあります。ご家族の方は、「いつもと違う」と感じたら、まずはお気軽にご相談ください。


✅ 肺炎を予防するために私たちができること

肺炎は予防が可能です。日々の生活で少し意識を変えるだけで、発症リスクを大きく下げることができます。

1. 予防接種の活用

  • 肺炎球菌ワクチン: 肺炎の主な原因である肺炎球菌による肺炎を予防するために有効です。特に65歳以上の方や、慢性的な持病(心臓病、腎臓病、糖尿病など)をお持ちの方、喫煙者など、重症化しやすい方は接種を強く推奨します。
  • インフルエンザワクチン: インフルエンザウイルスが原因となる肺炎や、インフルエンザ後の合併症としての肺炎を予防する効果が期待できます。

当クリニックでも各種ワクチンの接種を行っておりますので、ご希望の方はご相談ください。

2. 免疫力を高める生活習慣

規則正しい生活を送り、十分な睡眠とバランスの取れた栄養を確保して、体の免疫力を維持しましょう。ストレスも免疫力低下の原因となるため、リラックスする時間を持つことも大切です。

3. 徹底した感染対策

手洗いやうがいをこまめに行い、人混みでのマスク着用など、基本的な感染予防策を徹底しましょう。

4. 禁煙

喫煙は肺の機能を低下させ、肺炎にかかりやすく、また重症化させる大きな要因となります。禁煙は、肺炎を含めた様々な病気のリスクを下げる最良の予防法の一つです。


💊 肺炎と診断されたら

肺炎の治療は、原因となっている病原体に合わせて薬が処方されます。

  • 細菌性肺炎: 細菌に効果がある抗生物質による治療が中心となります。
  • ウイルス性肺炎: インフルエンザなどの場合は、原因ウイルスに特化した抗ウイルス薬が使われます。

重症の場合は入院が必要になることもあります。大切なのは、医師の指示通りに最後まで治療を続けることです。自己判断で薬の服用を途中でやめてしまうと、病気が再発したり、薬が効きにくい耐性菌が出現したりする原因となりますのでご注意ください。


肺炎は決して他人事ではありません。「風邪かな?」と思った時こそ、ご自身の症状を注意深く観察し、不安を感じたら早めに医療機関を受診することが大切です。

葛西内科皮膚科クリニックでは、患者様一人ひとりに合わせた丁寧な診療を心がけております。健康や病気に関して少しでも気になることがあれば、いつでもお気軽にご相談ください。

東京メトロ東西線 葛西駅より徒歩5分 葛西内科皮膚科クリニック

【監修:医療法人社団 俊爽会 理事長 小林俊一】